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自動倉庫とは?導入のメリット・デメリットや注意点、事例などについて解説します。

「自動倉庫というフレーズは知っているが具体的には全く何も知らない」
「具体的にどのような使い方が有効なの?」
「どのように自動倉庫にシフトしていけばいいの?」
「自動倉庫についての製品が多すぎてどれが合うのか判断できない」

という方のために物流コンサルティング会社の現役COOが自動倉庫について、徹底解説致します。
自動倉庫に興味はあるものの
「導入方法も選び方も全く分からない」
という方向けに記載していきます。

自動倉庫とは?

自動倉庫システムとは今まで人間が手作業で行っていた業務(入庫〜出庫出荷作業)を全て、あるいは一部分を機械を導入し物流システムを使用し、管理するシステムです。
完全に自動化し人の手が一切ない状態にする自動倉庫や部分的に作業者が入る自動倉庫などが存在するため、柔軟に導入することが可能です。

自動倉庫の種類

①パレット自動倉庫

①パレット自動倉庫

パレット自動倉庫はパレットに載せた商品(ケース商品など)を対象に高さを活用した効率の良い保管が可能な機械式の倉庫を指します。高層ラックなどを使用し効率良く保管が可能なことから、作業者の移動距離の短縮が可能となります。
フロア間をまたいで構築されることもあるため、各階に商品を縦搬送することも可能なため、一層の効率化を図ることが可能です。
導入は比較的大きめ物量を扱う工場・倉庫に向いています。
②バケット自動倉庫・ケース自動倉庫

②バケット自動倉庫・ケース自動倉庫

バケット自動倉庫は多品種・小ロットの小さめの商品をバケットと呼ばれるコンテナに高密度に保管する自動倉庫です。パレット自動倉庫と同様に、クレーンがバケットを自動搬送し効率的にピッキングすることを可能にします。
また、高さスペースを活用して保管する構造となるため、天井までのスペースを有効活用することが可能です。
バケットよりも大きい荷姿の場合は、段ボール(ケース)単位で保管することもあり、その場合はケース自動倉庫と呼ばれます。いずれにしても、比較的商品の大きさが決まっている(あるいは小さめ)の商品を自動的に入出庫する場合に向いています。
③シャトル型自動倉庫

③シャトル型自動倉庫

シャトルは通常の自動倉庫がクレーンを介して入出庫しますが、シャトルは水平方向の搬送と垂直方向の搬送の機器を専用のロボットで分担することで、同時に複数の入出庫および搬送を可能にした自動倉庫となります。クレーンの場合は入出庫と搬送を1つのクレーンで行う関係上、速度は出ない代わりにシャトルに比べて安価に済みますが、シャトルの採用によって、通常の自動倉庫よりも入出庫能力が格段に増すため、性能重視するような場合は適したソリューションとなります。
④回転棚式自動倉庫

④回転棚式自動倉庫

立体駐車場のように、縦回転または横回転(ループ状に回転)することで、保管が可能な自動倉庫となります。入出庫作業は作業者が実施する必要がありますが、棚(あるいは保管間口)が回転する構造のため、縦回転式の場合はスペース削減に寄与し、横回転式の場合はシャトルのように縦搬送のロボットと組み合わせすることで、シャトルに近い出力を出すことができるようになるなどの特徴があります。
⑤冷凍(冷蔵)対応自動倉庫

⑤冷凍(冷蔵)対応自動倉庫

主に食品を扱う企業様で「冷蔵や冷凍で保存しなければいけない」という場合に採用されます。
基本的な機能は他の自動倉庫と同様ですが、冷凍・冷蔵対応自動倉庫の場合は、結露が置きにくい、あるいは低温下でも稼働するといったような特殊な要件を満たす構造となることが特徴的です。
⑥移動棚システム

⑥移動棚システム

移動棚システムは、自動倉庫のように入出庫は自動では行われませんが、未使用時は通路スペースも保管スペースとして使用し、使用する際だけ、棚を移動させて通路を作り、作業者が入出庫作業ができるようにすることで、限られた倉庫スペースを有効活用することが可能となります。棚の移動を自動化させることで従来ではピッキングに手間のかかる商品(長尺な商品や重量のある商品)を安全・迅速に取り出せるようにしたシステムです。 基本的にピッキング作業に時間のかかる商品を扱っている企業様にオススメのシステムです。
⑦傾斜式流動棚

⑦傾斜式流動棚

棚に傾斜がついているため、重力を使用し自然の力で商品が全面に揃うようになる棚です。
棚の後ろから在庫を補充(入庫)し、手前からピッキング(出庫)することで先入先出の実現が容易になるため、食品などの使用期限を有する商品で、かつ出荷頻度の高い商品の保管棚として活用されます。

自動倉庫のメリット

自動倉庫を導入すると以下のようなメリットが存在します。
①ヒューマンエラーの排除
自動倉庫のメリット

①ヒューマンエラーの排除

ヒューマンエラーが多発することで
・顧客からの満足度の低下
・庫内作業効率の低下
・作業員の再教育
・納期遅れ故の損害賠償請求
など多くの問題が発生します。
しかし、システム制御機能のある自動倉庫の場合は、システム側で入出庫までを制御する機種もあるため、ヒューマンエラーを排除し、安定性や生産性を向上させることが可能です。
②属人性の排除
自動倉庫のメリット

②属人性の排除

現場独自のノウハウが築き上げられることで、ベテラン依存の体質が抜けない現場が多く存在します。
自動倉庫を導入することで、作業自体が誰でもできるようになるため、業務自体の難易度が下がり、ベテランの作業者のノウハウや知見に依存しない現場づくりが可能となります。結果、事業自体をスケールしやすくさせることにつながります。
③人件費の削減
自動倉庫のメリット

③人件費の削減

繁忙期や閑散期が存在したとしても、一定の物量が見込める場合、自動倉庫に代替することで人件費の削減につなげることが可能です。特に繁忙期に人材確保が難しい場合には庫内全体の総工数を押さえることが可能になること、24時間稼働が可能になるため、夜間や早朝帯の人件費の負担を押さえられる効果もあります。

自動倉庫のデメリット

自動倉庫にする上で経営上かなりの効果が期待できますが、自動倉庫導入には当然デメリットも存在します。自動倉庫を導入する際のデメリットは以下の通りです。
①初期投資がかかる
自動倉庫のデメリット

①初期投資がかかる

自動倉庫の導入はシステムや機材費用、施工費用など多額の費用がかかります。
初期費用を回収可能かどうかの入念なチェックを行ってから導入をご検討ください。
②システム障害・トラブル対応時に稼働しなくなる
自動倉庫のデメリット

②システム障害・トラブル対応時に稼働しなくなる

人間主体で作業を行う倉庫の場合はシステム障害があっても対応は可能ですが、自動倉庫の場合は、システム障害やトラブル発生時にシステムが作動しなくなるリスクがあります。
そのため、リスク回避のためにも「緊急時に人間だけでも庫内業務を回せるような運用回避策」を備えておくことが必要です。
③レイアウトが固定される
自動倉庫のデメリット

③レイアウトが固定される

一定のスペースを自動倉庫の設備で占めるため、稼働後に物量や取扱商材が変わった際の柔軟性が低い特徴があります。レイアウトを変更したい場合も、設備を撤去することは費用も手間もかかるため、中長期にわたって物量が安定した領域について自動倉庫を採用するなどの事前の見極めが非常に重要です。

自動倉庫ベンダーの選び方

自動倉庫には多くの種類が存在し、企業様ごとに最適な自動倉庫もシステムも異なります。
故に「多額の初期費用を払って作ったのに全く機能していない」という事態も起こりかねません。
売上を上げるどころか初期費用の回収すらできない最悪の事態を避けるために確認すべきポイントは以下の通りです。
ボトルネックの洗い出し

ボトルネックの洗い出し

投資対効果のみに注力すると、現場でないと気づけない、思いがけないところにボトルネックが存在する場合もあります。
たとえば、工程間の運用設計ができていないためにかえって人件費が増える。当初想定していた商品が保管できず、うまく活用できないなど、設計時点で倉庫の物流特性にみあった選定を行わなければ、多額の導入費が無駄になる可能性が極めて高くなるため、現場からの意見も吸い上げ、本当に効果が出る領域がどこなのか、ボトルネックはないのかを見極めることをオススメします。
「ボトルネックの探し方に不安がある」「専門家にも同行して見てもらいたい」という場合は、弊社の社員が貴社の倉庫を無料で診断し、レポートをご提示させていただきます。ご興味がある方は下記のボタンよりお問い合わせくださいませ。
費用対効果の検証

費用対効果の検証

ボトルネックの洗い出しが終了し、明確な改善箇所・導入箇所がを特定した後には、初期費用をどのくらいの期間で回収し利益が上がり始めるのかをシミュレーションする必要があります。
ボトルネックを改善しても改善効果が薄い場合は導入は避けるべきですし、現在のランニングコストと導入後に削減されるコストを比較したうえで、判断を行うことが重要となります。
導入実績の確認

導入実績の確認

初期費用が大きい場合は導入実績がどの程度存在するかも入念にチェックすべきです。
「〇〇というベンダーは△△の分野の導入に定評がある」など、管理されている商品を扱う分野が適正かどうか、その領域において実績が豊富なベンダーをお探しください。

シーオス導入事例はこちらから

自動倉庫以外で、倉庫業務を自動化・効率化した事例

WMS導入により誤出荷率の大幅削減に成功
【シーオス事例】

WMS導入により誤出荷率の大幅削減に成功

自動倉庫に頼らずとも、システム導入により効率を高めることも可能です。
医療機器を取り扱う倉庫に弊社シーオスのWMSを導入したところ、
年間出荷数36,012件のうち誤出荷が12件(誤出荷率0.033%)存在していましたが、
シーオスのWMSを導入したところ、44,095件の出荷数に対し誤出荷が2件(誤出荷率0.004%)と誤出荷率が1/8にまで低下し、業務効率化を果たしました。
倉庫における自律走行型搬送ロボットの導入実証
【シーオス事例】

倉庫における自律走行型搬送ロボットの導入実証

物流倉庫の搬送工程をロボットによる搬送代替をおこなうことで、搬送工数を削減し、省人化を図るためのサービスを提供しています。具体的には、ガイド不要の自走式ロボットにより、自ら搬送什器を探してフッキングし、しかるべき場所まで搬送して自動で切り離すソリューションとなります。

通常は作業者が自ら搬送物を運ぶ必要があり、AGV等を使う場合も作業者が牽引物とAGVを連結したり、搬送後の牽引物を取り外したりする必要があることから、作業者の負担が減りづらく、ロボットの搬送状況にあわせて作業者がタイムリーに対応するための負担が減らない状況でした。

当社のソリューションでは、一連の業務をロボット側で代替可能であるため、常時作業者がロボットの搬送のために時間をとられることが不要となるため、全体の生産性向上に寄与します。

シーオス株式会社の自走式ロボットの詳細はこちらから

まとめ:入念な精査の上、貴社に合ったソリューションを選びましょう

導入すべき自動倉庫や省人化システムは
・業界 ・導入背景 ・企業
によって様々です。

自動倉庫や省人化システムを適切に活用することで
・社員の職場環境の改善 ・作業の高速化 ・安定化 ・属人性の排除
など多くのメリットが存在します。

「自動倉庫を導入したのに全然生産性が上がらない...」
「物流システム化したのに恩恵を全く感じない」
「効率的に倉庫を運用できている気がしない」
という結末にならないために、貴社の課題を正確に解消できるようなソリューション導入をオススメします。

弊社シーオス株式会社では、現場経験のある物流コンサルタントが実際に物流倉庫に伺い、無料診断を行い、各クライアント様に合わせたオリジナルのソリューションをご提案致します。

ご興味がある方は下記のボタンよりお問い合わせください。

ロジスティクス大賞の受賞で裏付けられる
技術とノウハウ

シーオスは、公益社団法人 日本ロジスティクスシステム協会が主催する「 ロジスティクス大賞」を2度受賞しています。