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配車システムとは?導入のメリットや比較の仕方について詳しく解説します。

この記事では「配車システム」について詳しくご紹介致します。

「配車計画作成が属人化してしまい退職などの際にリスクが高すぎる」
「配車システムは導入したいけど何を考えて導入すれば良いかわからない」
「定期的に配車コースを見直したいが時間も人員もいない」
という方のために物流コンサルティング会社の現役COOが配車システムについて、徹底解説致します。
「配車システムを導入するとどのようなメリット・デメリットがあるのか知りたい」
「貴社に合った配車システムの選び方を知りたい」
という方向けに記載していきます。

配車システムとは

GPSによる位置情報や地図ソフト、ネットワークを活用して、トラックや一般車の運行計画や走行(配送)ルートを効率的に作成・管理するシステムのことです。
配車システムは主に「配車管理システム」「自動配車システム」「車両管理システム」の3種類があります。

配車管理システム

配車管理システム

配車システムでは、倉庫や工場から荷物量のデータを取得します。各車両の最大積載量や積載率の情報をもとに、どの車両でどの荷物をどのくらい運ぶかを決めます。配車管理機能では、1日もしくは1週間・1ヶ月単位で計画を立てるのが一般的です。
これまで配車担当者の知識や経験に頼っていた作業を、システム上で簡単に行えます。
自動配車システム

自動配車システム

車両や荷物に関する情報をもとに、AIやアルゴリズムが自動で走行ルートを作成します。
配送先の時間指定や停車可能位置、渋滞予測や交通規制などを考慮し、最短で最適な走行ルートが利用可能です。遠距離や複雑なルートが絡むような場合、ベテランの配車担当者でも頭を悩まされるケースがありますが、自動配車機能を活用すれば高精度な計算によって、短時間でルートが導き出されます。
経験や知識が浅く、土地勘がない場合でも即戦力となります。
車両管理システム

車両管理システム

配車システムでは、ルートの作成や配送状況の管理だけでなく、車両自体の動きも管理します。
GPSによる位置情報や走行ルートをリアルタイムで表示し、ドライバーの運転状況を確認可能です。データをパソコンに転送すれば、運転日報や報告書も簡単に作れます。また、車両管理機能により急発進や急ブレーキ・走行速度などを検知します。
ドライバーの安全運転教育や労務管理に活かすことで、事故の発生率を抑えられます。

従来の配車業務では、荷物量や配送先住所をリスト化した後に、ドライバーの担当地域やエリアを手動で割り当てていました。更にリアルタイムで配車状況を確認したり、膨大な量の伝票を人の手で仕分けたりと、作業に手間と時間がかかります。
配車システムでは、配送先データの収集から分析、ルート選定や配車状況の確認、伝票の集計などの業務を全て自動化します。配車業務にかかっていた手間や時間・コストを最適化できるため、車両を運用する企業には必須のツールであると言えます。

配車システムは、物品の配送や運搬用のトラックだけでなく、送迎や営業活動に用いられるバスなども対象とし、幅広いシーンで利用されています。
車両の使用目的・ドライバーに合わせて等、配車システムの用途や機能も異なります。

配車システムを導入する3つのメリット

メリット①

"特定の誰か"にしか出来ない作業を統一化・効率化出来る

これまでの配送計画は、経験と専門知識が豊富な配車担当係やベテランのドライバーが時間やコストを考慮して、配送先までの最適ルートを作成していました。そのため作業がその担当がいないと進まないものになり、担当者が急に休んだ場合にルート作成ができない、担当者の退職時に引き継ぎ時間がかかるといった問題がありました。配車システムを導入してベテランのドライバーの知識やノウハウをシステムに蓄積していけば経験の浅い人でも配送ルートが作成できるようになるので、作業の統一化・効率化を図ることができます。
配送に関連する
メリット②

配送に関連する"無駄"を省いてコストの削減が出来る

例えば配送ルートが長い場合、燃費や走行時間に無駄が出てしまいますが、配車システムを導入すれば、短時間で効率的な配送ルートを設定することができるので、少ない車両で多くの配送先を回ることができるようになります。燃費の効率が良くなるだけでなく残業による人件費も抑えることが出来るため、コスト削減が実現できます。
リアルタイムの配送計画が出来る
メリット③

リアルタイムの配送計画が出来る

これまでは急な配送先変更があった場合、配送計画変更に時間がかかっていましたが、配車システムではリアルタイムで計画変更ができます。また、渋滞や工事中の道があった場合でも、すぐにルート変更ができるので時間を効率的に使うことができ、それが更なるコストダウンに繋がります。

配車システム導入のデメリット

慣れないシステムの導入で使いこなすまでに時間がかかる
デメリット①

慣れないシステムの導入で使いこなすまでに時間がかかる

新しいシステムを導入する場合には、システムをしっかり理解して使いこなすことが重要ですが、導入しただけで使いこなすことができず放置されたままになっている、計画不足で費用対効果が得られないという企業も少なくありません。またシステム化されることに対して不安を感じる一定層の従業員から反発されることもあります。
使うことによってドライバーへのストレスの懸念
デメリット②

使うことによってドライバーへのストレスの懸念

配車システムでは、車両の位置情報や走行ルート・運転状況などのデータが、リアルタイムで本部等に共有されます。一部のドライバーによっては、自分の運転スキルや行動を常に監視されていると感じ、ストレスを抱いてしまうかもしれません。
配車システムを導入し効果的に使うためには、ドライバーに機能や導入目的を説明し、理解と協力を得ることが重要です。
導入するにあたっての費用の問題
デメリット③

導入するにあたっての費用の問題

配車システムを導入するためには、初期費用とランニングコストがかかります。費用体系をしっかり把握した上で、検討が必要と言えます。

貴社に合った配車システムの選び方と比較方法

配車システムの製品はバリエーションが豊かです。
配車システムを選ぶ際のポイントを見ていきましょう。

貴社にあった配車システムの選び方

まず、コストの面です。配車システムを選ぶ際は、費用対効果を考えます。配車システムの運用にかかる費用は主に、初期費用と月額利用料です。
月額利用料は、車両の台数や使用人数、アカウント数などによっても異なります。
一般的には、多機能・高性能であるほど費用は高額になります。必要な機能が入っているか、余分なサービスやオプション料が含まれていないかなど、料金体系を必ずチェックしましょう。
また、配車システムは無料トライアルで試運用できるケースが多いです。複数のシステムを比較検討し、気になるシステムを試してみるのがおすすめです。
次に操作についてです。配車システムを使う目的は、業務の効率化やトラブル防止のためが多いと思われます。しかし、実際には配車システムを導入してみたら、使い難く効果的に活用できないケースも少なくありません。最近では、パソコン操作が苦手な方や、年配のドライバーでも気軽に使えるシステムが増えています。配車システムを選ぶ際は、実際に使うドライバーや配車担当者の立場になり、操作のしやすさや画面の見やすさなどを重視することが必要と言えます。

比較検討の際に注意する箇所

比較検討の際に注意する箇所は、下記の4点です。
・提供タイプ(クラウド型/インストール型)
・機能
・GPSタイプ
・UI(ユーザーとコンピューターあいだで情報をやり取りするさまざまな機器や入力装置を指す)
自社の環境や予算に合わせて、提供タイプ(クラウド型かインストール型か)を選びます。また、機能についても自社にとって改善すべき点に着目し、必要な機能が特化している製品を選ぶようにします。
GPSのタイプやUIについても、社員がストレスなく利用しやすいものを選択することが必要です。

提供タイプ


クラウド型

クラウド型

クラウド型は、管理担当者及びドライバーが使用するタイプとなります。オンラインで情報を共有するため、例えば異なる拠点や事業所でもデータの共有が可能です。別の事業所の配達車両の位置を把握したり、配達予想時間をチェックしたりできるため、各種問い合わせの手間暇を少なくすることにもつながります。

その他、ドライバーが配車担当から指示を受け取れる機能などがあるため、その都度に電話や無線による連絡が不要になるのも利点です。加えてドライバーがスマートフォンで配送ルートの確認を行う機能を備えているタイプであれば、カーナビや地図といったコストの削減につながることも期待できます。
インストール型

インストール型

主に管理担当者が事業所などで使うタイプであり、配車指示書の出力、車両の点検や整備の日程、ドライバーの勤怠管理なども含めた機能が備わっているものがあります。
インストール型においては、ドライバーが事業所に戻ったらデジタルタコグラフ(運転記録計)のメモリーカードを差し込むことで、走ったルートや走行記録を保存するものがあり、アナログな日報作成をデジタルに変換できるものがあります。
更に、インストール型には「スタンドアロン型」と「サーバーインストール型」の2種類があります。導入の際は希望する環境がそれらを構築可能かも合わせて確認が必要です。

機能

機能面においては、ひとつの機能に特化しているシステムもあれば、幅広く対応しているものもあるため、業種や利用する車種、または目的や用途に適した機能を備えているものを選ぶ必要があります。
例えば、車両の位置や動態記録を把握したいのか、または積載量に応じた配送ルートを自動で作成したいのか、それとも配車や運行管理に強いものを使いたいのかによって異なるということです。また、物を運ぶ業界向けなのか、人を運ぶ業界向けなのか、それとも営業の動きを把握するためなのかなど、何に特化したシステムなのかをチェックすることが大切です。

GPSタイプ

車載器や専用端末を利用するタイプと、スマートフォンのGPSを利用するタイプに分かれます。
大きな違いは初期費用の部分であり、車載器や専用端末の場合は初期費用かレンタル費用のコストが必要になります。スマートフォンのGPSを利用する場合は初期費用が少なく済む場合もありますが、スマートフォンの貸与や支給を行っていない場合はそれらの導入コストが必要です。
もう一つの違いは車載器や専用端末の利用するタイプはデジタルタコグラフ(運転記録計)の機能を備えているものもあることです。それらは、運行日報の作成に欠かせない情報であることから、アナログから切り替えたい場合はどのようなデバイスなのかをチェックすることも大切です。

UI (ユーザーとコンピューターあいだで情報をやり取りするさまざまな機器や入力装置を指す)

配車システムは主に現場で利用するタイプのシステムであり、ITが苦手またはITに疎い人でも扱えるUIを備えているものを選ぶのが理想です。同時に事務職である配車担当以外にドライバーが利用することを忘れてはいけません。 例えば、配車担当が配車や運行管理に関する機能を使いやすい見た目なのか、機能を把握しやすく、誰にでも扱いやすいかどうかも検討する基準です。可能であれば現場の配車担当やドライバーに利用してもらうこと、使い心地を確かめるため、実務で利用できるかチェックするためのテスト期間などを設けることがおすすめです。

配車システムの導入事例と労働環境改善例

① 電線、光ファイバーなどの設備製造を行っている会社に配車システムを導入

① 電線、光ファイバーなどの設備製造を行っている会社に配車システムを導入

配送計画に2時間かかっていたところが15分に、と劇的な短縮が実現できました。また、伝票仕分け作業に1時間かかっていましたが、この作業は自動で行えるため0時間となりました。
車別のピッキングリスト、車別検品リストを発行し、それに従った車別ピッキングを行うため、積み込みまで1回の作業で完了することができるようになり、その結果、トータルピッキング後の商品の仮置きスペースが不要になるばかりでなく、作業時間の大幅短縮に繋がりました。さらに、配車精度が向上したため、車両台数がシステム導入前に比べ5%削減できています。
②店舗から個人宅への配達サービスを実施しているスーパーマーケットの会社に配車システム導入

②店舗から個人宅への配達サービスを実施しているスーパーマーケットの会社に配車システム導入

個人宅情報を統一して管理することにより、ドライバーごとの担当配達先や、配達時の駐車位置、注文カタログの所在場所などの情報をその都度引き継ぐ必要がなくなり、ドライバー間の引き継ぎ業務の円滑化が図れました。また、リアルタイムの配送実績や配達先の不在情報がサポートセンターに集積されることで、顧客からの問い合わせに迅速に回答することもできるようになり、再配送、再注文などの業務がスムーズに行えるようになりました。
情報がリアルタイムで把握できることで、長時間労働の改善が図れました。
③産業機械などの専門商社会社に配車システム導入

③産業機械などの専門商社会社に配車システム導入

配送ルート最適化を行い、自社便の積載効率を10%向上させることができました。自社便の配送小口数は月間15%拡大へと繋がっています。

まとめ:配車システムはシーオス株式会社に全てお任せください

大規模のシステム開発から小規模のカスタマイズまで幅広く行っております。是非一度無料相談にお越しください。

ロジスティクス大賞の受賞で裏付けられる
技術とノウハウ

シーオスは、公益社団法人 日本ロジスティクスシステム協会が主催する「 ロジスティクス大賞」を2度受賞しています。