弊社では震災直後からボランティア活動を続け、弊社が発行する雑誌LUMINAでも毎号記事を掲載してきた七ヶ浜。トライアスロンの大会会場も多大なる津波の被害に見舞われ、大会の実行委員長も津波の被害で亡くなられました。昨年度は大会の中止はもちろん、今後少なくとも2,3年、長ければ5年は大会の開催どころではないのではないか?とボランティア活動を続けながらそんな印象を持っていました。
ところが復興の機運を盛り上げ本格的な復興に向けて歩んでいきたいという町長の強い思いで、ぜひ今年から大会を復活させたいということになりました。最初は正直出来るのか?という思いでいましたが、大会前日にキッズレースと復興祭をLUMINAが企画し、今年2012年の6月30日(土)に実施する運びとなりました。
バス1台30名定員で応募したボランティアはトライアスリートだけでなく、遠く名古屋からの学生、北海道からの参加者も含め2週間ほどで定員に達する応募に多少の驚きとともに日本人の心意気に大いに励まされ、キッズレースには県外、東京からの参加に加え多くの地元の子供たちが参加し、未来の復興の担い手となる子供たちが元気に大会会場を泳ぎ、駆け抜けました。
お祭りの屋台村では、LUMINAが餅つきと焼きそばを振る舞い、喜多方ラーメンの坂内、クリスピークリームドーナッツ、プレッツェルのアンティアンズ、コールドストーンアイスクリーム、日立化成からは化学実験教室の協賛参加があり、イベント会場に参加した地元子供たちのダンスや音楽バンドと合わせ会場も大いに盛り上がりました。
これらの活動に七ヶ浜の方々から「震災以来もっとも盛り上がったイベントとなりました。あの震災から完全に立ち直ることを確信した、素晴らしいイベントでした。」という言葉をいただき、震災直後の状況から継続してボランティアを続けてきた我々としては心からうれしい、このイベントを取り仕切ってきた担当者の顔から自然と涙が湧いていました。
SEAOS「5つの理念」の第一は「社会のため」です。企業向けサービスの技術会社として、技術を通じて、お客様 → 社会へと貢献してきましたが、想像もしなかった未曾有の大震災を経て、「社会のため」への姿勢も別の次元になりました。
私はリーマンショック、アメリカにおけるオバマ政権の誕生、行き過ぎた資本主義への警告、これらの社会の変化を敏感に肌で感じています。これらの変化に大きな拍車をかけているのがネット技術です。Googleは検索ワード、言葉を軸に主権をユーザーに渡した初めてのネット企業としてその名を歴史に残すでしょう、その後Facebookはさらに人と人の関係性で主権移譲を加速的に増大させた企業としてさらに歴史に名を残すことになるでしょう。エジプトをはじめとしたアラブ諸国の民主化において重大な役割を果たし、正に国民に主権を移譲しました。
デジタル化できるものはネットを通じて主権をユーザーに瞬時に渡すことができます。しかしこれら社会の変化は、今後じわりじわりとリアルの世界で起きてきます。グローバル競争に明け暮れ規模の経済で競合と渡り合う競争もなくなりはしませんが、もっとも成功する企業は徹底したユーザー目線でユーザー体験を完璧にした企業になるでしょう。それをもっとも証明した企業はスティーブ・ジョブスが率いたアップルでした。マイクロソフトの水平戦略に圧倒され誰もがアップルがマイクロソフトに勝つなど想像すらしなかった、垂直統合の戦略が勝つことなどあり得ないと言われていました。
ユーザーに近寄れば近寄るほど、複数の機能をユーザー目線で束ねていかなければならなくなり、経営は複雑になります。よってなんでもかんでも総花的に提供すればさらに二乗倍に経営は複雑になりとても成功させることはできません。よってアップルは限られた製品しか市場に投入しなかった訳です。
ユーザーに近寄りユーザー目線で機能を束ねているので中身は複雑にならざるを得ません、しかし体験はシンプルでなければなりません。このように世のなかの機能を分解し、ユーザー向けにアレンジし、シンプルに展開していくことが市場に支持される方向性です。
SEAOSはこの世の中の変化に対応するための企業向け技術サービスのソリューションを提供するとともに、自らユーザーと向き合うBtoC事業を徹底したユーザー目線で展開していくBlueOceans事業を展開しています。世の中の機能に新たな付加価値を提供し、それぞれの機能が息を吹き返し、結果として新たな経済性を身につける。そのような世の中の流れを作っていきます。
2012年07月19日