Message from the President

社長挨拶

前回の掲載からあっという間に2年ほどが経ってしまいました。この2年は創業20周年を迎えて「家業から企業へ、創業経営から組織経営へ」というテーマに向き合ってきました。以下その概要です。苦労を重ねながらも一歩一歩ですが粘り強く前進しています。

  • (1) 企業パーパス
    SEAOSが何のために存在しているのか?何を成し遂げるために事業を営んでいるのか?会社のメンバーは何のために働いているのか?それらを指し示す、登るべき頂です。
    「社会インフラとしてのロジスティクスをデジタルネットワーク化することで産業に革新をもたらす」
    10年ほど前に策定して以降、この目的のために日々事業活動に勤しんでいます。
  • (2) 戦略
    社会課題、産業課題、顧客課題を大いに解決し、他社が模倣することが困難なSEAOSならではの特異的な戦略を明確にし、社外の有識者との活発なる意見交換を経て修正・検証されたものを社内の隅々にまでに共通認識とする。
  • (3) プロセス
    戦略の実現に必要なプロセスを設計し、常にその有効性を高めることがマネジャーの仕事、経営者は設計されたプロセスの有効性を検証し、アドバイスを与え一緒になってその有効性の向上に努める。マネジャーとはプロセス設計とそのカイゼンに面白みを覚え、有効性が高まることに生きがいを感じる職業。決して人から人に仕事を移していくようなタレントマネジメントをしてはいけない。この人ができたのだから同じような人材を採用すれば引き継がれるのではダメ、職能さえあっていれば組織でプロセスが再現できなければいけない。
  • (4) 予算とリソース
    予算とはプロセスを実現するために必要な職能の因数分解とその職能の活動量の掛け算で導き出される数字。職能とその活動量は人材要件となり、既存人材の職能の向上、採用、外部パートナーの活用で予算の実現に必要な要件となる。(人材以外のリソース、土地、建物、設備と稼働も含まれる)
  • (5) 実行・運用(勝ち切れる組織)
    スポーツに例えるなら監督の戦略・戦術もしっかりしている。一人一人の技術や体力も素晴らしい。でも勝てないチームと同じように、経営においても戦略良し、一人一人も優秀であるが結果がついてこない。勝ちきれない組織の根本原因とは何か? それはプロセスの運用における基本動作・基本ルールの徹底、日々の実施・運用における詰めの甘さ、それを放置する文化にある。上司は部下と向き合い日々の仕事をハンズオンで伴走し、運用を徹底していく、その結果自ずと最後まで諦めない結果勝ちにつながる姿勢・文化となる。
  • (6) 愛情・情熱
    関わる全ての人の人生、その人の幸せを願い、一緒に働くことでそれぞれの夢を叶える一助になる。誰にとっても人生は一度だけ、全ての人の誰にとっても唯一平等なことは時間、365日、24時間、60分、60秒。いつどんなことで死んでしまうか?誰もわからない。であれば後悔のないように1分1秒に世のため人のために情熱を持って一生懸命に生きる。

2022年06月21日

「バブル崩壊」、「9.11」,「3.11」,「リーマンショック」などこれまでも社会に大きな脅威を与えた出来事がありました。しかしそれらとは異なりコロナは全世界同時に社会のあらゆる領域に大きな影響を及ぼしています。地球がホモサピエンスである私たちに大いなる警告を与えているのだと思います。私たち人間が地球の一員として地球に対して謙虚にならなければいけない、より地球に寄り添い、生かされているという立場に立って地球の一員として生活していく必要があると思います。Afterコロナのニューノーマルはそのような観点で再構築され、歴史が繰り返される事がないようにしなければいけません。

このような中、SEAOSは「社員の生命→健康→生活」を経営の根幹としてコロナ禍における運営をしております。SEAOSは社員の生活基盤であると同時に、健康を支え、決して生命が脅かされことがないようにリスク管理運営をしっかりしていきます。

この状況ではありますが6月1日で創業20周年を迎えました。10周年においては歴史に残ることをしたいとの思いで10周年記念事業として念願のBtoC事業を立ち上げ2017年に分社化、社会にもう1つの会社を生み出すことができました。今も社員元気にオーガニックな自立成長を続けています。

30周年に向けては家業から組織経営への益々の加速、そして社会の一員としての公器へ、より若い方々が活躍できる環境を作ります。「社会インフラとしてのロジスティクスをデジタルネットワーク化することで産業に革新をもたらす」という企業目標の実現に向け決してブレることなく、すべてのことに感謝の念を持ち、一歩一歩確実に頂に向け社員一丸となって歩を進めていきましょう。

2020年06月12日

慶応から明治に改元したのが 1868年10月23日、その150年後にあたる2018年10月23日にちょうど講演で奈良に行く予定があったので、はじめて明治天皇が創建した橿原神宮に参拝しました。ご存知のように紀元元年1月1日に神武天皇が即位された場所です。その際に歴史家は、明治維新からの150年について、30年ごとに区分し、以下の通り評価をしているとの記事を読み、改めて新元号からの30年について考えてみました。


  • 1868年から98年までの第1期は国民国家の形成期だ。建国の時代である。大日本帝国憲法を制定し日清戦争をへて国家として自立していく時期
  • 1928年までの第2期は00年に伊藤博文を総裁とする政友会が結成され、18年には初の非藩閥の原敬内閣が発足、大正デモクラシーをへて政党内閣制が確率する時代である。一等国をめざし、その仲間入りした時期
  • 58年までの第3期は戦争に突き進み、45年の敗戦から占領・講和・独立をへて、55年には保守合同で自民党が結党、戦後体制を確率する時代である。戦争と復興の時期
  • 88年までの第4期は冷戦構造のもと軽武装重商主義によって高度成長を達成した時代
  • 2018年までの第5期はバブルが崩壊、経済は「失われた20年」といわれ、阪神大震災、東日本大震災と大地震にも見舞われた。災害と混迷の時代

私はこれからの30年は第4次産業革命の時代、デジタル革命によりあらゆる産業が生まれ変わる時代。デジタル技術を手にした企業が各産業のディスラプターとなり主役が様変わりする時代。30年後に振り返ればそのような評価が頭に浮かびます。
産業革命は3つの社会インフラ産業(1.エネルギー、2.コミュニケーション、3.ロジスティクス)が別次元の変化を同時に遂げた時に起こりました。その原理原則に照らせば今起こっている産業革命は以下の通り解釈出来ます。


  • エネルギー産業
    → 再生可能エネルギーとデジタルグリッドなどによるシェア
  • コミュニケーション
    → 5G(大容量&高速)と無線(小容量&低消費電力)
  • ロジスティクス
    → 自動運転によるシェアとサービス産業化

いずれにおいても共通しているのがデジタルテクノロジー、それにより獲得するビッグデータ、それを原材料にしたAIによるシェアサービス化。それによりこれまでにない UX(顧客体験)が生まれる時代です。私が2016年12月に著した「UXの時代」です。
これまでの3度の産業革命のときのマグニチュード、スピードとは桁が違い、ビッグデータ&AI が第4の社会インフラ産業になるでしょう。

そこに被せるように次の30年として再生可能医療や免疫治療などの生命科学の発展による人類寿命の延伸。人の生き方・働き方が変わる時代、人生100年時代から120~150年時代が来るのでしょう。しかし、どのような時代になっても「実体流」は変わることなく社会に存在し続け、その制約から逃れることはできません。
SEAOSはその時代の中で、これまで培ってきたロジスティクス業務のデジタル化に加え、そこから得られるビッグデータとAIによる人・ロボット・マテハンの同時制御、IoT&ビッグデータによるシェアサービス・ソフトウエアの提供、これまでの Warehousing を⼀変させる Digital Warehousing Integration による省人化物流センター構築。それらサービスの最上流に位置するロジスティクス・ビジネス・コンサルティング・サービス。
まさにロジスティクスという社会インフラ産業のデジタルテクノロジーを担って行く会社として第4次産業革命の中で活躍する会社として社会に貢献していきます。30年後にどのような会社として歴史を刻んでいるのか? その礎となることが私の使命です。

2019年01月23日

創業間もない頃に15分ほどで書き起こしたSEAOS「5つの理念」を、これまで経営の指針としてまいりましたが、この度、いつの時代も変わらぬ「創業の精神」として、新たな位置付けを行いました。(以下、原文)


創業の精神
  • 「1.社会のため」
    社会の発展に技術をもって貢献すること、お客様の経営のためになること、社員の育成のためになること、それら3つを同時に満たすことしかすべきではない。
  • 「2.謙虚」
    決して慢心することなく、常に技術力向上に努めること。
  • 「3.感謝」
    今の自分の立場は、これまで自分が出会った多くの方々を通じて培われていることを忘れず、感謝すること。
  • 「4.教育・人材育成」
    人材の能力が会社の能力である。人材の育成なくして会社の成長はない。上司は部下に仕事を振るのではなく、教育目的をもって部下に仕事を任せ教えること。
  • 「5.自分以外」
    相手の立場に立つこと、常に主語は、社会、お客様、自分以外のSEAOSチームメンバーであること。

新たに、時代と共に変わっていくことを善しとして、この度、「SEAOSの文化(Culture of SEAOS)」を明文化し、これら2つをもって「SEAOSの理念」として再定義いたしました。また、SEAOSの社会における存在意義として、「社会インフラとしてのロジスティクスをデジタルネットワーク化することで産業に革新をもたらす」という目標を掲げました。
「SEAOSの文化(Culture of SEAOS)」の第1版では、7つの言葉を定義いたしました。


  • 「Visionary」→ すばらしい結果をイメージし具現化する
    「社会インフラとしてのロジスティクスをデジタルネットワーク化することで産業に革新をもたらす」という高い目標を常にイメージしてもらいたい。手段が目的化したり、予定調和になるようなことがないよう、今取り組んでいる仕事がSEAOSの掲げる目標の何に通じているのかを、常に意識して行動してもらうための言葉です。
  • 「Justice is the 1st」→ 目先の得より、正しさを優先する
    高い目標を掲げその目標に近づく努力であるからこそ手段にまでこだわろう。目的を達成するためには手段を選ばないという精神とは真逆でありたい。高い目標だからこそ正々堂々とした行動で達成する、人としての誇りを表した言葉です。
  • 「Open Mind & Share」→ 色んな個性をフラットに活かし合う
    技術革新のスピードは日増しに速くなっています。昨日までの最新技術やノウハウが明日にはベストとは言えなくなる時代です。自分だけで解決できること、チームだけで解決できること、会社の中だけで解決できることには常に限界があります。何かに躓いたら直ぐに相談し、組織や社会とのネットワークの中で解決し、得られたことは分かち合う、というSEAOSの文化を表した言葉です。そうして得られた技術・ノウハウで世の中の先頭を牽引して行きたいと思っています。
  • 「Deep & Speed」→ 高速で、深く考える
    ロジスティクスは情報やデータだけでは処理が完結しません。必ず情報やデータと一緒に物が動き、かつ人や車、ロボットが同期しなければいけませんし、その処理に必要なスペースも用意されていなければなりません。また処理が滞ると、その回復には通常処理の何倍もの工数が必要になり、取り返しのつかない被害をもたらします。ロジスティクスに向き合うエンジニアには、実際の現場では何が起こるのかという深い思考と、処理全体を繋げてうまく流れていくのかどうかを検証するスピード思考とが、常に求められることを表した言葉です。
  • 「Still Day One」→ 社会を変える大きな目標は「積小為大」でしか
    成し遂げられない。
    SEAOSが掲げる「社会インフラとしてのロジスティクスをデジタルネットワーク化することで産業に革新をもたらす」という目標は、対象となる範囲が膨大です。「小さな努力の積み重ねが、やがて大きな収穫や発展に結びつく。」という取り組みにならざるを得ません。日々の進み具合はミリメーター単位に思えるようなことなのですが、ある時一挙に大きな波に変わっていく特性があります。それを自覚して目標を見失うことなく辛抱強く日々積み上げていく必要がある、という思いを込めた言葉です。
  • 「Festivalism」→ どんな状況でもポジティブに楽しむ、仕事は”お祭り事”
    同じ事をするのでも、何にでも楽しみを見出し、明るく楽しくできる組織とそうでない組織ではパフォーマンスが圧倒的に違います。常に活気溢れる空気と笑顔や笑い声が聞こえ、高いパフォーマンスをチーム、組織で生み出していく、そのような人材が大好きです。一度しかない人生だからこそ、誰よりも多くの笑顔で人生を楽しみましょう、という思いを込めた言葉です。
  • 「Ownership」→ 自分自身の事として責任をもって積極的に関わる
    高い目標を掲げるSEAOSだからこそ、一人一人が機械の歯車や部品であってはなりません。目標を達成するために自身に何ができるのか? どうすれば課題を解決できるのか? 指示がなければ動けない、意志に関わらず同調するようなことはSEAOSのカルチャーにはありません。自身の意見を持ち、積極的に発言し、決まったことは必ずやり遂げる強い意志を持った人がSEAOSのメンバーであるとの思いを込めた言葉です。一人一人が大なり小なり経営者である、という自覚を求めています。

以上の「SEAOSの文化(Culture of SEAOS)」は、以下の願いをもって作成されたものです。

  • SEAOSでなら自分の能力をすべて発揮したいと思える。
  • SEAOSで働くことで家族を幸せにできるように思える。
  • 自信を持って家族や友人にSEAOSを紹介できる。
  • 共感してSEAOSで働きたいと思える人が集まる。
  • 事業上の判断を迫られたときに方向性を決められる。
  • 迷った時、つらい時、くじけそうな時の拠り所、希望となる。
  • この企業となら末永く付き合っていきたいと、お客様に思っていただける。
  • 社会のためにSEAOSに投資したいと、投資家に思っていただける。

SEAOSも創業18年目となり、創業時代からの生え抜きの社員の比率も年々減り、中途採用、新卒採用が益々増えていくこのタイミングで、改めてSEAOSの文化の継承をしっかり行なっていきたいと考えています。

2018年05月15日

年2回新しい社長挨拶をアップするのが慣例なのですが、前回から10ヶ月ほど期間が空いてしまい何とか師走に今年2度目の掲載を間に合わせることができました。
今年、私はSEAOSのブランディングを目的に、講演やパネリスト、メディアの取材、記事、12月6日に発売された「UXの時代(著:松島聡)」の執筆などに多くの時間を費やしてきました。会社・クライアント先・公演先(仕事)⇔ 自宅(著作)⇔駒澤公園(トライアスロン・トレーニング)という三角形の生活圏の中をぐるぐると回る、まるで文武両道の受験生に戻ったような生活です。
おかげさまで「UXの時代」がビジネス書のカテゴリー別ですが予約段階、発売後も継続してAmazonベストセラー1位を獲得することができ、これもひとえに協力いただいた多くの方々の賜物であり心より感謝申し上げます。

「UXの時代」で書いた内容は、外資系コンサルタントでのサラリーマン時代の8年、創業してからの17年、合計25年に及ぶ社会人人生を通じて私が感じてきたこと、考えてきたこと、実行に移してきたこと、今後実行していきたいと思っていることを社会の変化と産業の変化との関係で語ったものです。

詳しい内容は本に譲りますが、人々が幸せに安心して暮らせる社会と産業のあり方、また日本がどのようにしてそのあり方に移行していけるのか?企業や個人がどのようにしてそのあり方に移行していけるのか?という問いに向き合った結果の著書です。

一つの例を挙げます。
現在世の中ではAIやロボットが多くのメディアで取り上げられ、人間との関係も注目されています。一番主流の考え方は機械学習の領域で、囲碁ではディープラーニングによる仕組みが人間に勝った例が代表例です。いわゆる計算や記憶といった領域は明らかに機械の方が優れており、活用の領域はあらゆる分野に及んでいます。
一方で、この日本においてもっとも根本でかつ身近に起きている変化に人口の減少と生産年齢人口比率の低下という問題があります。その結果若い就労者の需給バランスが崩れ、きつい、汚い、危険、ストレスが高いなどの職種への希望が減り、特定の職種の求人倍率がどんどん上がり、社会の根本にある作業や接客領域などの人材が不足し、安定的な物やサービスの供給に支障が出てくるという危機感です。

ここで基本的な質問ですが、現実的に経済合理性含めロボットがこれらの作業を代替できるでしょうか?
過去あらゆる作業現場を見てきましたが、若い就労者の作業を代替するという考え方に基づき省人化を考えると、その実現可能性は非常に限られた領域になってしまいます。
技術の成熟度、経済合理性、人口構造の変化とその時間軸ということを総合して考えると、人間とロボットが協働することで作業の負荷を減らし、非生産年齢という位置付けにされている65歳以上の方々との協働により若い就労者と変わらない生産性を実現できる年齢のオーグメンテーション(生産年齢の引き上げ)を行うことで、増えていく65歳以上の方々を社会に取り込んでいけるロボット・ソリューションが答えだと思っています。

普通の倉庫の作業現場などが65歳以上のシルバー人材中心で運営され、日々のコミュニケーション場でもあり、いつまでも元気で安心して働くことができ、みんなと一緒に食事を摂れ、最後の最後まで元気にみんなと働ける――そんな社会の実現が人口減と高齢化に直面する日本社会における機械化の当面の回答だと思えてなりません。SEAOSはこれら社会の要請に果敢に挑戦し、2017年を実施元年としてロジスティクスのデジタル・ネットワーク化を牽引していきます。

2016年12月16日

ビジネスの世界ではシェアリングエコノミーという言葉がもてはやされていますが、ビジネスモデルやビジネスチャンスという狭小な捉え方をすることに私は違和感を覚えます。
ユーザーとして考えるのであれば当たり前の流れなのではないか?と思うからです。所有が経済的豊かさとイコールであった時代はとうに過ぎ、アクセスによって多くの体験をすることで得られる精神的豊かさに、より価値を感じる時代になったという解釈が正しいと言えます。
これから発展していく市場がこれまでのような大量消費によって経済成長を続けていくことは、地球の持続性に対して論理的に不可能であることを人類が肌で感じ始め、それが社会の大きなうねりになっていると理解すべきです。

大事なことはユーザーエクスペリエンスです。ユーザーにとってどれだけ価値ある体験をさせてあげることができたかであり、その過程や手段でいかに価値を訴えていても、所有からアクセスに多くの価値を感じる時代では意味が薄れてきているのです。
よって、手段で分類されるこれまでの産業分類ではとらえられない会社がこれからの時代を牽引していくでしょう。SEAOSはまさにそのような会社としてユーザーにとってどれだけ価値が提供できるかを考え、何ができるかではなく、何をやらなければいけないかに対して挑戦し続ける企業でなければなりません。

SEAOSの経営は高速であることは当然ですが、ユーザーとの対話によるイテレーション開発を高回転で行い、大量のアルゴリズムを生産し続けることが大切です。未来はネットワーク上のアルゴリズムの連鎖により便利になり、人間はより人間にしかできないことに時間をシフトすることで豊かになっていくでしょう。SEAOSは今年も高速高回転経営で疾走します。

2016年02月04日

産業界のニュースを賑わすIoT(Internet of Things/物のインターネット化)、米国GE(ゼネラル・エレクトリック)を中心に提唱されるインダストリアル・インターネット、ドイツでは国を挙げてインダストリー4.0というコンセプトで名だたる有名企業が多数参加する取り組みとなっています。

これはデジタル・インターネットの黎明期における現象で、デジタル化できるものは瞬時に主権がサプライサイドからユーザーサイドへ移り新たなメディア・広告ビジネスなどが生まれたフェーズから、今後はデジタル化できない物理的なものがサプライサイドからユーザーサイドへ主権を移していく始まりにすぎない現象と私には見て取れます。
しかし、物理的な制約を受けるモノは単純に主権がユーザーサイドに移ることはできません。最初の段階では、ビッグデータ時代がそのきっかけをつくりました。モノから得られる大量のデータから、本来ユーザーにとって最適な状態とのギャップをユーザーサイドに明確にすることから始まります。このフェーズにおいて、製造業から成果報酬のサービスを加えるビジネスモデルへの変革を成し遂げようとしている代表格がインダストリアル・インターネットを提唱したGEです。
しかしIoTというのはどうも適当な言葉ではありません。製造業が主導するからTとなったのでしょう。本来であればTに埋め込まれたソフトウエアが適切な言葉であり、Tに依存しないことでより可能性は広がります。弊社ではIoTではなくIoA(Internet of Algorithm)と提唱しています。

モノを提供する企業からすれば、モノに対するユーザーエクスペリエンスを高めるためにユーザーにとって最適であることと実際のギャップを把握し、そのギャップを埋めていくことは既存のビジネスで勝ち残っていくために必要です。しかし、モノに縛られることなく最適なモノを提供できるビジネスが破壊的イノベーターになることは明らかです。私はそれらのプレーヤーを総してギャップ・トレーダーと呼んでいます。

米国の試算でIoTの経済価値は8兆ドル、そのうちサプライチェーン・ロジスティクス分野が1.9兆ドルという数字が公表されました。その中で、モノに縛られることなく最適なモノを提供できるビジネスにおけるベンチャー企業が未公開ながら高い企業価値をつけています。400億ドル以上の価値をつけたウーバー・テクノロジーズ(タクシー業務を行いたい個人ドライバーを顧客と仲介)、100億ドル以上の価値をつけたエア・ビー・アンド・ビー(空き部屋を貸したい人と旅行客を仲介)。

AMAZONはどんなビジネスと解釈すべきでしょうか? AWS(Amazon Web Services)はサーバーをクラウドでギャップ・トレーディングしていますし、品揃えの良い本屋がない地域に世界最大の品揃えの本屋を提供して供給ギャップを補正しています。さらにMarketPlaceは、あらゆる商品在庫というリソースギャップをトレーディングしていると解釈できます。

SEAOSはこのような時代の中で生きている会社であり、これまでサプライチェーン・ロジスティクス分野のあらゆる産業・業種で作り込んで来たAlgorithmを広くあまねく社会に適応し、そこから得られるデータを分析することで最適な提案をしています。
人・スペース・車両、そして商品在庫。これらリソースのギャップを補正することで無駄のない社会循環を作り出すことにチャレンジし、大いに社会に貢献していきます。

2015年07月15日

2015年はデジタルと通信技術がもたらしたサプライサイドからユーザーサイドへの権限移譲が行われ、民主化という明るい側面と同時に混乱という暗黒面が明確に認識された年となりました。
しかしこれは人々に強い印象を残したものの一つの側面でしかありません。デジタル技術で権限が移譲できるものは瞬時ですが、物理的制約をともなうものは簡単に変わることができない、そのギャップの一側面にすぎません。

このギャップはさらに貧富の差をもたらしていると私は考えています。人間でなくてもできることを人間が行わざるをえないから貧富の差が拡大する。人間が人間にしかできないことに時間をシフトしていくことで貧富の差がなくなっていく、それは知的なことだけでなく、五感によるもの、感性によるものなど多様です。

物理的な制約によるデジタル側面とのギャップによるストレス認識は身近なことを含め今後ますます明らかになり、段階的に補正されていくでしょう。しかしこの補正には多くの時間がかかるだけでなく、世の中を根本的に変えていく莫大な市場を生み出していくとともに世の中を便利で豊かにしてくれることでしょう。

SEAOSはこれらの未来を想像しギャップの大きな領域、かつ変革の黎明期にある領域に対してありとあらゆるアルゴリズムを生成してきました。創業期のメディカル、その後のロジスティクス、創業11年目のアクティブ・ウエルネスへと拡大し、今後もさらに領域を広げていきます。
SEAOSはグッドユーザーという立場でその活動をサポートするあらゆるアルゴリズムを生成・部品化し、部品化されたアルゴリズムはその活動をサポートする一連の流れとしてアッセンブリーされ、あらゆる生産・消費活動を便利に豊かにしていきます。

2015年02月16日

モバイル通信、インターネット、デバイス、デジタル技術の進化はより私達の生活になくてはならない機能として組み込まれ、その存在の重要度を意識すらせず過ごす事も多いかと思います。人間便利になってしまうと不便であった以前の事は忘れ、その状態が当たり前になってしまうものです。しかし、気がつかないうちに私達の生活様式は変化しています。

これまで食料品・日用品などの生活基盤商品を購入するために週末の半日を費やし、ショッピングセンターで買い物、ついでにフードコートで昼食をとる。子供はおもちゃ売り場やゲームコーナーで夢中になる。このような姿は今や懐かしい光景にも思えます。

ネット・デジタル技術の進化と生活への浸透は私達の生活者の重要かつ基盤となる価値観である「お金」と「時間」のトレードオフの関係を崩し、新しい価値観の流れを生み出しつつあります。少しでも安いものを買うためにスーパーを梯子するチェリーピッカーはもはやJANコードをスキャンしスマホでのショールーミング、ワンクリックで購入し自宅で受け取る動作に代わり、その動作も電車の中、それが当たり前の行動様式です。

人間はより人間らしく、人間だけができうる事により多くの時間を費やす事ができるでしょう。ネット・デジタル技術が進化すればするほどより先祖帰りする一方の側面が生まれます。それが人間の感情・五感に訴えるリアル体験です。この現象は生活の中だけでなく、仕事の中にもその変化をもたらします。

仕事の中身をよりセグメンテーションすると、ハードウエアとしての人間、またソフトウエアでもルーティンな内容、パターン化できる内容、アルゴリズムで処理できる内容……このように代替可能性の容易さで順次仕分けを行うと最後に残ってくるのは感情、判断、人と人のつながり、組織としての成果となり人間だからこそ成し得え、単純にお金には換算する事が難しい機能が残されてきます。
今は正にその変革期にあり、働く人に代替可能性の高いものから非常に困難な内容が同居し曖昧な状況を許容しなければならない状況が多く存在しています。特に日本のホワイトカラーの生産性が低いと言われるのは、特性の異なる機能が同居しどれも中途半端で磨き上げることが出来ない。そのようなジレンマやその状況に甘んじていることによるところが多分にあると思っています。

SEAOSは産業革命以来のこのような計り知れない変化において何が必要とされ、どのような社会の流れを作りあげるべきかに本気で向き合っている会社です。SEAOSはこの社会の変化への対応のコアファンクションをIT&Logisticsと理解しています。この技術の最先端をひた走り、ネット時代のデジタル商社になることを宣言しています。
しかしこの実現にはその技術を使いこなす人が大事、また一人では大きな成果を上げる事はできません。チーム、組織で成果を出すためには個の技術とそれをまとめ上げるマネジメント力が欠かせません。人に技術が宿りマネジメントで成果を出して行くそのような経営を追求しています。

私は創業経営者としてSEAOSが常に社会の変化の突端に立ち、大いに社会に貢献し続けて行くには永遠に続くDNAを作り上げ、次世代を背負って立つ若い技術者やマネジメントを育成する事が最も重要な仕事であると考えています。5つの経営理念、またSEAOSのDNAであるInnovation&Segmentationに真摯に向き合い、一度しかない人生、悔いがないよう人生を賭して駆け抜けて行きたいと思います。

2014年07月23日

弊社では震災直後からボランティア活動を続け、弊社が発行する雑誌LUMINAでも毎号記事を掲載してきた七ヶ浜。トライアスロンの大会会場も多大なる津波の被害に見舞われ、大会の実行委員長も津波の被害で亡くなられました。昨年度は大会の中止はもちろん、今後少なくとも2,3年、長ければ5年は大会の開催どころではないのではないか?とボランティア活動を続けながらそんな印象を持っていました。

ところが復興の機運を盛り上げ本格的な復興に向けて歩んでいきたいという町長の強い思いで、ぜひ今年から大会を復活させたいということになりました。最初は正直出来るのか?という思いでいましたが、大会前日にキッズレースと復興祭をLUMINAが企画し、今年2012年の6月30日(土)に実施する運びとなりました。

バス1台30名定員で応募したボランティアはトライアスリートだけでなく、遠く名古屋からの学生、北海道からの参加者も含め2週間ほどで定員に達する応募に多少の驚きとともに日本人の心意気に大いに励まされ、キッズレースには県外、東京からの参加に加え多くの地元の子供たちが参加し、未来の復興の担い手となる子供たちが元気に大会会場を泳ぎ、駆け抜けました。
お祭りの屋台村では、LUMINAが餅つきと焼きそばを振る舞い、喜多方ラーメンの坂内、クリスピークリームドーナッツ、プレッツェルのアンティアンズ、コールドストーンアイスクリーム、日立化成からは化学実験教室の協賛参加があり、イベント会場に参加した地元子供たちのダンスや音楽バンドと合わせ会場も大いに盛り上がりました。
これらの活動に七ヶ浜の方々から「震災以来もっとも盛り上がったイベントとなりました。あの震災から完全に立ち直ることを確信した、素晴らしいイベントでした。」という言葉をいただき、震災直後の状況から継続してボランティアを続けてきた我々としては心からうれしい、このイベントを取り仕切ってきた担当者の顔から自然と涙が湧いていました。

SEAOS「5つの理念」の第一は「社会のため」です。企業向けサービスの技術会社として、技術を通じて、お客様 → 社会へと貢献してきましたが、想像もしなかった未曾有の大震災を経て、「社会のため」への姿勢も別の次元になりました。

私はリーマンショック、アメリカにおけるオバマ政権の誕生、行き過ぎた資本主義への警告、これらの社会の変化を敏感に肌で感じています。これらの変化に大きな拍車をかけているのがネット技術です。Googleは検索ワード、言葉を軸に主権をユーザーに渡した初めてのネット企業としてその名を歴史に残すでしょう、その後Facebookはさらに人と人の関係性で主権移譲を加速的に増大させた企業としてさらに歴史に名を残すことになるでしょう。エジプトをはじめとしたアラブ諸国の民主化において重大な役割を果たし、正に国民に主権を移譲しました。

デジタル化できるものはネットを通じて主権をユーザーに瞬時に渡すことができます。しかしこれら社会の変化は、今後じわりじわりとリアルの世界で起きてきます。グローバル競争に明け暮れ規模の経済で競合と渡り合う競争もなくなりはしませんが、もっとも成功する企業は徹底したユーザー目線でユーザー体験を完璧にした企業になるでしょう。それをもっとも証明した企業はスティーブ・ジョブスが率いたアップルでした。マイクロソフトの水平戦略に圧倒され誰もがアップルがマイクロソフトに勝つなど想像すらしなかった、垂直統合の戦略が勝つことなどあり得ないと言われていました。

ユーザーに近寄れば近寄るほど、複数の機能をユーザー目線で束ねていかなければならなくなり、経営は複雑になります。よってなんでもかんでも総花的に提供すればさらに二乗倍に経営は複雑になりとても成功させることはできません。よってアップルは限られた製品しか市場に投入しなかった訳です。
ユーザーに近寄りユーザー目線で機能を束ねているので中身は複雑にならざるを得ません、しかし体験はシンプルでなければなりません。このように世のなかの機能を分解し、ユーザー向けにアレンジし、シンプルに展開していくことが市場に支持される方向性です。

SEAOSはこの世の中の変化に対応するための企業向け技術サービスのソリューションを提供するとともに、自らユーザーと向き合うBtoC事業を徹底したユーザー目線で展開していくBlueOceans事業を展開しています。世の中の機能に新たな付加価値を提供し、それぞれの機能が息を吹き返し、結果として新たな経済性を身につける。そのような世の中の流れを作っていきます。

2012年07月19日

未曾有の震災とそれによる津波が日本列島を襲いました。日増しに被害の全容が明らかになり、その規模の大きさに心を痛めております。また原子力発電所の被害が続く中、日本の経済活動への影響も不透明な状況が続いております。被害に遭われ亡くなられた方々に心よりご冥福をお祈り申し上げます。また被災地に十分な救援物資や資源、医療サービス、住宅などの手当てが行きとどく事を願っています。シーオスとしても会社から義援金を拠出し、また社員からの義援金を募り少しでもお役に立てていただければと思っております。

被災地で苦労されている方々の状況を報道で見、また社員の皆さんや家族や自分が毎日元気に過ごしていることを思うと人間は生きているというより、生かされていることを実感します。また停電、水道の放射能
汚染の問題、品不足を経験しますと今まで当たり前のことがなんと贅沢で無駄の多い暮しであったのかを認識させられます。

このような状況に直面し日本社会の一員である我々が何をしなければいけないのか?を真剣に考えることになりました。私は震災の直後、300人の社員やパートさんを雇用する企業の経営者として、真っ先に頭をよぎったのは社員やパートさんの生活でした。まず最も優先しなければいけないのは社員やパートさんの生活への影響を最小限にすることです。それと同時に一刻も早く何としても日本社会の元気を取り戻すべく、少しでも多くの利益を出して日本経済に貢献し、またその利益の一部を義援金として被災地にお送りすることです。

シーオスは昨年創業10周年を迎えました。これまでの10年に感謝するとともに、これまでの10年は捨て去り、創業の時のように一からすべてを作り出してきた気概で、さらなる10年を作ろう!と昨年度心に決めました。今回の震災でまったくゼロになってしまった被災地を見て、それこそ同じ気持ちで日々を過ごし、社員の生活を支えかつ被災地、日本復活に貢献するよう知恵を振り絞り全身全霊で渾身の事業活動を展開していきたいと思います。

2011年03月26日

SEAOSのホームページにアクセスいただきありがとうございます。代表取締役社長の松島聡(まつしまあきら)と申します。

SEAOSは、オペレーション・エンジニアリング(OE)という改革・改善のための業務設計、オペレーション・サポート・システム(OSS)という改革・改善を実現する業務を直接支援する情報システムの開発、オペレーション・サービス(OS)という改革・改善を実現する業務を実際の当事者となって受託するアウトソーシングサービスの3つのサービスを提供しております。

上記のようなサービスを提供したいという強い想いは、私が最初に社会人として8年間勤めました世界最大のマネジメントコンサルティング会社での業務経験から起こったものです。そこで様々な企業改革の絵を描くわけですが、何をすれば会社が良くなるのかは明らかなのに、大変多くの会社が実際に改革を実行することができずに苦しんでいる状況を目の当たりにしてきました。そのようなとき「僕だったらこうするのに!」といつも歯がゆい思いをしてきました。コンサルティングだけではなく次第に実際に自分の手で改革の全てをやってみたいという思いが、心から沸々と沸き起こり、それが我慢できないほど強くなり、噴火するように起業してしまったのです。

実際に一緒になってお手伝いし、必ず改革を実現させてあげよう! 企業が持つ本来の力を引き出すために、SEAOSがもつ技術を生かし一緒に手を取り合って、力を合わせ、お客様企業に適応した方法で、組織が生気を取り戻し、もう一度元気な企業に再生させる。なんて素晴らしいやりがいのある仕事でしょう!

どうせ人生は一度しかない。可能な限り多くの企業に元気になっていただく。これこそが私がこの世に生まれた意義であり存在価値である。大いに社会に貢献しよう!と考えています。
しかし、企業を再生するための技術はそう簡単ではありません。各社が歩んできた歴史、背景、文化は様々で処方箋はすべて違います。改革・改善の内容と手順を間違えては、まったく違った結果となってしまいます。SEAOSは企業の改革・改善に必要な技術を開発し、その技術をたゆまぬ教育により人材に植え付け、かつ個人の能力向上だけではなく1+1=3となる組織力でお客様企業の改革・改善に寄与するサービスを提供し続けます。

改革・改善の技術開発と人材教育にゴールはありません。常に慢心することなく挑戦し続けて行きます!

2009年05月25日

過去の社長挨拶