【東邦グループ様ご登壇】
あるべき物流センター構築と統廃合への取り組み
物流改革実施例として、日本最大級の在庫の豊富さを誇り、輸入車パーツの総合卸商社等を手がける東邦グループ様にご登壇いただきながら、事例を紹介いたします。
物流領域を担当されている方であれば、自社での改革の参考になる部分もあるかと思いますので、ぜひご覧ください。
◆背景
①物流拠点が分散しており、ビジネス拡大において障害となっていた
東邦自動車株式会社様(現在は物流拠点が独立し㈱ソナティック様)では、高級外車のパーツ品を取り扱っています。
4万SKUを超える品揃えに加え、ネジやワッシャー等の超小物サイズから、ボンネット、バンパーのような1商品の1辺が2mを超える超大物商品もあり、難易度の高い物流オペレーションが必要な事業です。
これまでビジネス伸長に合わせて外部倉庫の拡張を実施していました。しかし近い将来、入出荷機能を持つ本社倉庫のキャパシティーが限界に達し、更なるビジネス伸長の障害になりそうだという話になりました。
そこで約5,000坪の新センター建設を進めることになりました。
②属人的でアナログな倉庫管理
倉庫内での管理は、販売管理システムを機能拡張して対応していました。
しかし入荷のラベル貼りや検品等も、目視や手作業が多く、属人事的なオペレーションとなっていました。
また、一見整理できているように見える状態でしたが、固定ロケーション管理をしていたため、細部をみると棚からはみ出ていたり、置き場がなく仮置きになっている状態も多々ありました。
このような運営は、事業継続ならびに事業成長のボトルネックとなる可能性があり、放置していてよいものではありません。対応を進める事になりました。
◆対応方針
背景①から新センター建設を進めるのですが、ここで現状のまま、ただ大きい倉庫に移転すると背景②にあるような課題が残されたままでまた新たなビジネス伸長の障害となる可能性があります。
また、現状をベースにとりあえず改善を行うだけでは効果が限定的となってしまいますが、背景①の通り、今回新センター建設という事で大きく変えるチャンスです。
よって、「現状の改善ではなく『あるべき物流センター』設計をする」という考えのもと、各施策を行っていきました。
セミナーで紹介する施策(ポイント)
物流拠点統合・新物流センター企画立案支援
ビジネス伸長を加味した構想立案
シーオスの分析ノウハウに基づき、あるべきセンター保管や庫内業務設計等の構想立案を実施。
この時、「現在」だけではなく「今後ビジネスはこの程度成長するとして、その際も問題なく業務を行える」かを加味して行いました。
「週単位や、日別単位での作業量のピーク・変動はどの程度あるのか」などのミクロな観点も、「出荷数・在庫量等がここ数年でどの程度伸びているのか?」というマクロの視点も、どちらもきちんと含めて考え、分析。
これにより、「ビジネス伸長に物流拠点が追い付かない」という事態が直近で再発するのを防ぎます。
物流DX支援
システムを入れる「だけ」では不十分
システムを導入するだけでは課題の解決としては不十分。
そのため、システム導入に合わせ、他にも様々な支援を実施しました。
・商品サイズから最適な什器を選定したり、商品の出荷頻度によって在庫配置を決定
特に本事例においては、自動車パーツという荷姿が様々な商品を取り扱うことから、「全ての商品の3辺や重量を計測し、ケース別の必要間口の試算をする」という大規模な基礎データの整備をしなければ、「システムの指示通りにしたが入らない」「システムはもう入らないと判断したが、もっと入るのでスペースの無駄が発生する」という事態になることが想定されました。
ここを正しく整える事で、「どこに入れればいいのか」「どこに取りに行けばいいのか」をシステムに全任せできるようになるのです。
・作業者がどのように動くかを定め(業務の標準化)、標準的な作業時間を定めることでを見える化し、継続した作業に落とし込むためのルールを定義
人依存を廃し、だれでも同じようにアウトプットを出せるように標準化を実施。また、これによって各工程の作業時間が定まり、見える化に繋げられるようになりました。
・倉庫管理システムWMSを新たに導入
販売管理システムの拡張ではなく、倉庫の管理を主として開発されたWMSを使う事で、より業務を適切にシステムがサポートできるように。
ここでも大事なのが、「システムを入れる」のは手段であり、『物流センターのあるべき姿へ』という方針に沿って進める事です。
倉庫移転計画の策定支援
「変化」させる移転にかかる計画作成のサポート
さて、実際に倉庫移転計画を立てる、となった時、自力で全ての計画を立てるのは難易度が高いです。
倉庫移転はそんなに頻度が高いものではなく、ナレッジがあまりたまらないためです。
しかし、移転支援の経験豊富な会社から支援を受ける事で、トラブルが起こる可能性を低くしたり、見通しが立てやすくなったりします。
本事例では、要員計画、配車計画(在庫品移転のための必要車両の数や大きさ)、インフラ工事手配計画、等という細かな部分まで計画策定を支援しました。
この時、『物流センターのあるべき姿へ』という方針を見失わず進める事が大事です。
まとめ
「現状の改善ではなく『あるべき物流センター』設計をする」という方針にそって、施策を実行。
その結果、様々な成果につながりました。
・保管効率を保持したまま、品質や庫内の安全性の大幅改善
・生み出した余力から、安全面の徹底や効率化の新たなルール作り、スタッフへの教育等、「人がやるべき重要な仕事」に注力可能に
・自社物流センターでの高品質で効率的な在庫管理が大きな強みへ。現物が手元にあるからこそ、商品の状態をすぐにお客様にお伝えすることができ、注文ミスを防ぐことで顧客満足度向上へ
……等。
特に『物流センターのあるべき姿へ』という意識をもっていなければ、余力が生まれても「安全面の徹底や効率化の新たなルール作り、スタッフへの教育」という『あるべき姿へ近づける』行動に結びつきづらいのです。
「現状の改善ではなく『あるべき物流センター』設計をする」という方針を徹底してプロジェクトを進める事で、稼働後も「人がやるべき重要な仕事である、あるべき姿を探求する」事につながるのです。
皆様には今回のセミナーで紹介する内容をぜひ持ち帰っていただき、皆様の物流改革の一助となれば幸いです。
事例セミナー開催概要
日時 |
2023年8月29日 (火) 12:05~13:00 <開催終了> 2023年8月30日 (水) 15:00~16:00 <開催終了> |
会場 | WEB |
参加費 | 無料 |
主催 | シーオス株式会社 |
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