(物流企画責任者向け)物流センター企画/概要設計の進め方
流通小売業のA社は、自社ブランドの強みで店舗拡大を続けており、順調に取扱数量を伸ばしてきました。
しかし、物流業務については事業発足当初から見直しがされず、現場の努力では賄えない規模になってきたため、物流改革が社の方針として決まり、投資計画を立案することになりました。
責任者としてアサインされたBさんは、どのように業務・システムを変えればよいかわからず、苦慮していました。
一方、マテハン・ロボットメーカーからは、自動化センターの提案が行われており、投資対効果の検証もできず、そのまま進んでよいか、判断がつきかねる状況です。
そんな中、当社にお声がけいただき、以下の形でこのプロジェクトの課題整理および解決策の立案・実行を進めていきました。
解決のポイント
- Point1
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課題物流改革の方針が決められない解決目的を明確化するために、経営課題から物流課題への落とし込みを行い、設計思想として取りまとめる
- Point2
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課題物流センター企画/概要設計において、どのように企画案をまとめればよいかわからない解決建物・設備ありきで検討するのではなく、【業務設計→レイアウト設計→自動化・省人化余地の見極め】の順番でセンター企画/概要設計を行う
- Point3
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課題業務・レイアウトを設計するためにはどんな手順を踏めばよいかわからない解決データを準備し、データ分析から物流特性を見極め、設計の方向性を絞り込む
- Point4
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課題物流センター企画/概要設計の計画立案内容の是非について、どう決裁までもっていけばよいかわからない解決必要リソース、必要予算と期待効果を設計内容から算出し、ビジネスケースとして整理する
課題:物流改革の方針が決められない
解決:目的を明確化するために、経営課題から物流課題への落とし込みを行い、設計思想として取りまとめる
課題
これまでは事業成長に会社の目が向いていて、物流業務についてはあまり注目されることなく、サービスレベルを担保すればよいという位置づけでした。
しかし、取扱量が増えるに従い、現状の業務では対応が難しいケースが出てきており、誤出荷や出荷遅延が問題となってきました。
現場は常に忙しく、どのようにすれば現場の生産性があがるのか、今後の事業伸張に見合った物流業務とはどうあるべきかわからない状況でした。
解決
経営課題として、何を伸ばして何を今後重要視していきたいのか、何が成長の足かせになっていて解決をしたいのかを経営者へのヒアリングや現場調査で整理し、設計思想としてどうあるべきかの仮説立案を行います。
企業によって課題が異なるため、何が最適解かは異なりますが、経営課題を物流課題への落とし込みし、その課題を解決するための指針を取りまとめることで、プロジェクトとして何を重要視し、何を達成目標とするかが明確化されます。
これを設計思想として取りまとめ、経営陣含めて合意形成を行うことで、プロジェクトを進める上での方向性が明確化されると共に、今後多方面で発生する課題に対しての解決が円滑化します。
課題:物流センター企画/概要設計において、どのように企画案をまとめればよいかわからない
解決:建物・設備ありきで検討するのではなく、【業務設計→レイアウト設計→自動化・省人化余地の見極め】の順番でセンター企画/概要設計を行う
課題
企画の方向性が定まっても、どのように計画立案すべきかわからないと、手を動かすことができません。
これまで、物流改革をやってきた経験が社内にはないため、まずはインターネット等で調査を開始したものの、物流改革といえばマテハンやロボット投資が注目されていることはわかりました。
早速各メーカーに問合せしたものの、どのようなソリューションが良くて、同じようなソリューションの中でどの会社のものが優れているのか、判断がつかず、そのまま進めてよいか判断がつかない状況のまま、提案内容を受け入れている状態でした。
解決
物流改革の方針や進め方が明確になっているプロジェクトであるほど、各メーカーから提案されたソリューションの見極めができず、導入に失敗するというケースが多く見られます。
提案されたままの無人化・省人化策をきちんと検証することなく、業務・レイアウトに反映させてしまうと、業務特性に最適化された内容とはならず、投資対効果が得られない結果につながるためです。
業務特性・物流特性に沿った業務設計をまずはじめに行い、その業務にあわせたレイアウト設計を行います。業務・レイアウト設計ができると、必要な所要工数が算出され、どの工程に無人化・省人化策の余地があるか判断可能となり、プロジェクトの成功に近づきます。
課題:業務・レイアウトを設計するためにはどんな手順を踏めばよいかわからない
解決:データを準備し、データ分析から物流特性を見極め、設計の方向性を絞り込む
課題
これまで、既存業務の踏襲で日々の運営を行ってきたため、新たに業務・レイアウトを設計することが必要だとわかっても、現行からどう変えてよいかのイメージがわかず、現行業務の焼き直しになってしまいます。
最善を尽くすものの、現行と大して変わらないアイディアしか出てこないため、本当にこのまま進めてよいか判断がつきかねる状態でした。
解決
この時点では、いかにクイックに投資対効果までを算出するかが求められるため、設計着手前のインプットとしてデータ分析を行うことで、どのような物流特性・出荷特性があるかを見極め、設計のインプットとして活用します。
データ分析により現場業務が定量化されるため、構造的に捉えることができるようになり、無数にある選択肢の中から、どの方向に設計すべきかの絞り込みが可能となります。
データ分析にあたっては、必要な粒度・範囲でデータをそろえることが必要となるため、自社システムからのデータ活用はもちろんのこと、荷姿情報(サイズ、入数)もあわせて整備することで、分析精度が高まります。
データ取得が難しければ、優先度をつけたうえで、現地調査やみなしデータの活用により分析を進めていきます。
課題:物流センター企画/概要設計の計画立案内容の是非について、どう決裁までもっていけばよいかわからない
解決:必要リソース、必要予算と期待効果を設計内容から算出し、ビジネスケースとして整理する
課題
物流センター企画/概要設計において、業務・レイアウト設計および無人化・省人化範囲の見極めまでがある程度進んだら、企画内容を具体化するかどうか、経営判断をあおぐステップとなります。
承認には投資対効果があることが前提ですが、必要リソース・予算や期待効果算出を行い、ビジネスケースとして整理することが必要となります。
必要な投資金額については各メーカーからの見積を元に揃えられそうですが、見積に必要な基礎情報の準備や、リソース算出、期待効果の試算について、どう収束すべきか判断がつきかねる状況でした。
解決
弊社のエンジニアリング手法である標準作業タクトを用いて業務設計を行い、設計内容をレイアウト設計に反映させることで、必要リソース・予算と期待効果の算出が可能となります。
標準作業タクトによって業務別の所要工数が、レイアウト設計によって必要マテハン・什器数がそれぞれ定量的に算出できるため、各メーカーへの見積提示のインプット情報や投資対効果の試算に活用することができるようになります。
複数プランがあった場合も、それぞれが定量的に比較可能な状態で構造化されていることから、客観性を持ったビジネスケースとして整理することが可能となります。
まとめ
物流改革を行うためのファーストステップとして、経営課題から物流課題の落とし込みを行い、改革の方向性を明確化したうえで進めていくことで、プロジェクトにかかわるメンバーの指針が明確化されました。
また、経験がなかなか得にくい投資判断に必要なステップや方法論をもとに進めていくことで、企画概要設計を進めるとともに、ビジネスケースとして社内決裁に必要な情報整理を行うことができるようになりました。
結果、当初はマテハン投資をベースとした物流改革プラン検討中でしたが、プロジェクトの中でマテハン投資に頼らずとも、ソフトウェア投資のみで業務を最適化すれば十分な投資対効果が見込めることがわかり、自社の状況に見合った経営判断を行うためのビジネスケースを準備することが可能になりました。
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資料 |
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