ラストワンマイル配送における「引取物流」の事業化支援。帰り便の有効活用で配送費を収益化へ

業界大手EC / ネットスーパー業
従業員規模    約 500名 –

背景

同社が展開するネットスーパー事業では、発注商品を取引先が車両手配して在庫拠点へ納入し、インターネットでの注文後に在庫拠点からハブ拠点へ「横持」を行い、そこで消費者向けの専用配送車両へ積み替えて指定時間にお届けする、という物流フローを構築していた。

課題

ラストワンマイル配送の物流ネットワークにおいて、在庫拠点からハブ拠点、そして消費者への「一方向の輸配送」が基本となっており、帰り便の有効活用に苦慮していた。拠点間での搬送什器回収による積載率維持には限界があり、配送費の負担が利益率を押し下げる要因となっていた。 

ハブ拠点への横持車両が在庫拠点へ戻る際、空いたスペースで搬送什器を回収してはいたものの、物流ネットワーク全体で見ると「一方向」の流れが強く、車両全体の積載効率の低さが課題となっていた。本業の会員数や売上が順調に増加する一方で、それに比例して膨らむ配送費負担が、事業全体の利益率を押し下げるボトルネックとなっていたのである。

シーオスが提供したサービス・ソリューション

<全体的なアプローチ>

課題解決の糸口となったのは、当社が行っていた付加価値創造のための「構想策定コンサルティング」であった。当社は、ボトルネックとなっていた配送リソースに着目し、帰り便を活用した「引取物流」を行うことで収益化できる可能性を見出した。

<具体的なアプローチ>

各配送車両はチャーター便で構成されていたため、固定費の範囲内で引取物流を行えば、取引先がこれまで在庫拠点への納入にかけていた費用を「売上」として転換できる。さらに、取引先が手配している既存の配送費用以下の価格を提示することで、取引先にもメリットが生まれ、競争優位性を持つ新規の配送事業として成立する。

同社は以下の4つの観点から検討を重ねた。
①収益化および収益増大の可能性が見込めるか
②パートナー企業との共同事業という強い制約の中で、新規事業の業務設計が可能か
業務に見合った仕組みをスピード感をもって構築できるか
④顧客側(現場)で運用を定着させることができるか

これらの要件をクリアし、新たな売上転換と確実なメリット創出が見込める当社の提案が高く評価され、引取物流の事業化が決定した。

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<支援内容>

導入にあたっては、超えるべきハードルがあった。同事業はパートナー企業との共同事業であったため、パートナー側の既存システムや枠組みを流用することが大前提であった。そのため、システムや業務面に新たな仕組みを組み込むことが構造的に難しく、現場にも「既存の枠組みを超えて新しい取り組みを行うこと」に対する心理的なハードル(苦手意識)が存在していた。

そこで当社は、業務設計と引取物流用システム(Quent/PeaceDrive)の提供にとどまらず、コンサルタントが伴走して複数回のPoC(概念実証)を実施した。段階的に現場への定着を推進し、検証途中で生じた課題にも実態に合わせてタイムリーに対応。さらに、今後引取先が増加しても現場の負荷が上がらないよう、既存システムと連携するためのデータ変換ツールも並行して作成・提供した。

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顧客のビジネス/業務上の成果

<周到な業務設計と伴走支援の結果、経営陣が求めるスケジュール内でのPoC完了および事業化を達成し、引取物流事業は初月から収益化を実現>

事業化に伴い社内には新規部署が創設され、新たな収益構造を生み出すための土壌が整備された。プロジェクトオーナーからは「計画通りのプロジェクト達成はもちろんのこと、現場に対して『やればできる』という成功体験を積ませることができた点が非常に大きい」と評価されている。

また、当初は自社内の物流ネットワークの効率化を目的としていたが、事業化の準備を進める中で、この引取物流の枠組みをグループ内外へ広げることで、さらなる収益増大の可能性が見込めるという思いがけないプラスの効果も得られた。

まとめ

同社は今後、引取事業のさらなる拡大と積載効率の向上を目指している。在庫拠点の新規立ち上げに合わせて今回構築したスキームを発展・拡大させ、グループ内外への事業展開も視野に入れている。

当社に対しては、引取先の増加に伴って発生する新たな要件への継続的な対応や、事業成長に合わせた適切なサポート、そして運用定着のさらなる拡大に向けたパートナーシップが期待されている。

効率化・無人化・安全性の向上による物流現場の革新

どのように取り掛かればいいかわからない、自社にはどんなアプローチがいいのか知りたい、といった事があれば、お気軽にシーオスまでご相談ください


シーオス株式会社では物流に関する豊富な知識と経験で多くの物流改善を行って参りました。まずはお気軽にご相談ください。

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